ラスベガスなどのバーで行なわれている、ちょっとした賭け事に
"Bet a nickel" なるものがある。
その昔、ニッケル硬貨、すなわち5セントばかりを賭けて行なった座興的なゲームで、
真剣な賭けというより、5セントばかりをつかって、
騙される事を楽しむゲームといったもの。
たとえば、長年ラスベガスに住み着いている老人が、
新参の者のところに擦り
潔面寄って来て<、
「運試しで、50セントばかりで、ちょっと賭けをしないかい?」という。
気軽に応じると、
「ここにコインがあるんだが、オモテが出れば、50セントは君のものだ。
ついでに言えば、ウラが出ても君のものだ。
どうだい、この賭け、やってみるかい?」
負けるハズもないと、新参者が応じると、老人は、コロコロとコインを転がし、
さて、どっちが出るかと見れば、
コインは、カウンターの上にあった濡れたグラスの表面にくっついて
立ったまま止まってしまった。
「ウラもオモテも出なかったからワシの勝ちじゃな」。
こんな風にコインを転がすのも熟練のうちだと思えば、
50セントぐらい老人に呉れてやってもいいな、という気になる。
賭け事の種類は限りなくあるが、
その中でも、ポーカーは、異質で別格のゲームと言える。
良い手、悪い手が配られ、その「運」で勝負するものではなく、
すべて、駆け引きでの勝負。
悪い手で勝つ事もできれば、よい手だからといって常に勝つ訳ではない。
ポーカーの別名を”ブラフ(Bluff)" と言う。
このブラフは、「はったり」「こけおど
智能護膚機し」の意味となるが、
こういった、はったりをきかしたり、推理したり、
基本的に、騙し、騙される過程を楽しむものだと考えるのが良い。
本来、ポーカーの目的は、大きく稼ぐ事。
大きく稼ぐためには、ちょっとした工夫が必要だが、
エドガー・ポーの言葉に、
「人間は、不撓不屈と独創性、剛胆と冷淡、
無遠慮とスマイル、こんなモノを化合した物質だ」というのがある。
勝つために秘策はこれか?