古墳などの出土品に『三角縁獣文帯四神四獣鏡』などという、
いかめしい名前のついた銅鏡が発見されることがある。
その裏側の凝った文様を写真などで見たことがあるが、鏡面側が展示されているのを見た覚えがない。
青銅製であったから青い色をしていたのかと推測すると、
技術的には、もっとすぐれていたらしい。
青銅の上に錫などを溶かして鏡面を造り、現在の鏡と同じく原色が再現されていたそうだ。
鏡には、不思議な力を感じる。
鏡と言えば、白雪姫や鏡の国のアリス、コクトーの映画などがすぐに思い浮かんでくる。
そして、我々の心の中には、鏡に対して何か特別な感覚があるのは間違いない。
西洋では、鏡を用いた占いをクリスタロマンシート呼んで、おもに未来を占っている。
これとは、対称的に、日本の中世に書かれた歴史物語を『鏡もの』と呼び、
映し出されているのは過去の出来事。
この過去を映し出すという発想は、どうも閻魔様に起源があるようだ。
閻魔と言えば、あの世の王であり総司として死者の生前の罪を裁くと考えられる存在。
その閻魔様が持っているとされるのが『業鏡(ごうきょう)』。
業鏡は、未来を映し出す占いの鏡ではなく、生前の罪悪の数々を映し出す鏡とされる。
あの世に行って、裁きの庭で見させられる"DVD"のようなものであるらしい。
過去のすべてが映し出されるそうだ。
閻魔様から『これが目に入らぬか!』とダメ出しされるが、納得はいく。
日本の検察の証拠改ざんをした検事に、先週、判決が下った。
この検事は、巧みに誘導したり証拠をでっち上げたりしていたそうだ。
その時に、自分の文章を司馬遼太郎のようだと自賛していたようだ。
とんだエセ作家に陥れられた人たちは、たまったものではない。