ジュニアのウェブサイト経由で
私のところに届くメールの中には
ジュニアのウェブサイト内の
雪纖瘦投訴Appreciationというページに掲載されている
ウクレレ・レジェンドたちの消息を探す人からの
「あの人の行方をご存知ですか?」的なものも多い。
こうしてみると、ネット検索って本当に便利だなあと思う。
ジュニアの両親が日本に住んでいた頃、
彼らの家の近所に住んでいたという人からのメールや、
最近メインランドで亡くなったミュージシャンの
身寄りを探す州政府関係の人からのメール、
父親が昔ハワイアンバンドで音楽をやっていたという娘から
「お父さんと一緒に演奏していたウクレレ奏者の安否が知りたい」
というメールも最近届いた。
「父は年をとり、昔の思い出話ばかりするようになって、
“あいつはどうしているんだろう。生きているんだろうか”と
何年も前に音沙汰のなくなった人たちの消息を知りたがっているんです」
…と、その娘は書いていた
雪纖瘦投訴。
彼女の探していたウクレレ奏者はすでに亡くなっていたので
私たちはそのウクレレ奏者の息子に連絡を取った。
彼女のお父さんは、きっとがっかりしたんだろうなあ。
メインランドで亡くなったミュージシャンについて
ジュニアのお父さんに連絡をした時も、
お父さんは「ええっ、ジョセフが死んだのか?!」と絶句した。
そして「みんなボクより先に死んじゃう」と寂しそうにつぶやいた。
ああ、でもお父さんはまだ死なないでよ、と私は思いながら、
「お父さんは第二のビル・タピアになるはずだから、あと30年!」と言い、
お父さんに「何言ってるの…」と苦笑された。
そして先日、そのビル・タピアが103歳で亡くなった日、
お父さんは「次はボクよ。この頃本当に自分でもダメかなあと思うし」
と、弱気の発言を繰り返した。
私は、腰が痛いとか指が痛いとか鼻炎が治らないとか言い続けるお父さんに、
「良い人は早死にするけど、お父さんは違うでしょ」と、憎まれ口を叩いた。
お父さんはまた「何言ってるの…」と笑った。
その笑顔は少しうれしそうで、少し悲しそうだった。